よくある質問
交通事故事件に関するQ&A
3.治療のときも気をつけよう
Question
交通事故による損害の賠償は、どこに請求したらよいのでしょうか?
Answer
まずは治療をすすめることが必要になりますので、完治もしくは症状固定まで治療を続けて下さい。大切なのは、身体に不具合や不調のある箇所は事故直後からすべて診断や検査を受けておくことです。事故直後に「たいしたこと無いから」といって診断を受けずにいると、後に賠償を請求しても「事故とは関係がない」と拒絶されるおそれがあるからです。
加害者が任意保険に加入している場合、一般的には、保険会社から医療機関に対して直接医療費が支払われることになります。
Question
相手方保険会社から健康保険を使うようにと言われたのですが、どうしたらよいでしょうか?
Answer
基本的には健康保険を利用した方がよいでしょう。加害者が無保険である場合は、保障額に限度がありますので、自己負担額の少ない健康保険を使った方が多くの治療を受けることができます。また、被害者側にも過失がある場合にも、加害者から損害額全額の賠償を受けることができませんので、やはり自己負担が少なくて済む健康保険を使った方が有利になります。
病院によっては、交通事故による怪我の場合に健康保険の利用を拒否するところもあります。しかし、健康保険を使わない場合に得をするのは医療機関だけで、被害者には(加害者も)、健康保険を使わないことによるメリットはありません。患者が健康保険を利用すると述べれば病院は拒否することはできませんので(昭和43年に、当時の厚生省が通達を出して明確にしています)、健康保険を利用して治療を受けるようにして下さい。
Question
病院へのタクシー代はきちんと支払われるのでしょうか?
Answer
タクシー代は必ずしも支払われるわけではなく、その必要性が認められる場合でなければなりません。ケガの程度などによっては自己負担となってしまう可能性もありますので、事前に医師と相談して下さい。
なお、自家用車を用いて通院した場合であっても、実費相当額の通院費用は支払われます。
Question
治療が長引き、相手方保険会社から治療費の支払いをストップすると言われてしまったのですが…
Answer
頸椎捻挫(むちうち)や腰椎捻挫など、外形的な所見が現れにくく、他方で治療が比較的長期に及ぶ怪我の場合、保険会社が治療の途中で治療費の支払を打ち切ってくることがあります。
このような場合には、主治医と相談して治療を継続する必要があるか判断して下さい。治療の必要性がないということであれば後遺障害の認定へと進みます。逆に、治療を継続する必要があると主治医が判断した場合、それでもなお保険会社が治療費の支払を打ち切ったとすると、一旦自分自身が立て替えて、後に交渉や裁判を通して請求することになります。その場合、治療の継続が必要であると主治医が診断したことが重要になりますので、十分な相談をして下さい。
なお、裁判では、頸椎捻挫や腰椎捻挫について、一定期間(例えば5年など)で治療期間が終了したものと扱われて賠償額が低くなる傾向があるので注意が必要です。