よくある質問
交通事故事件に関するQ&A
7.もう一歩前へ
Question
賠償責任を負うのは、車を運転していた人だけですか?
Answer
事故を発生させた運転者のほか、運転者が仕事中に事故を起こした場合は、その使用者(会社または個人事業主)も責任を負います。会社の車を従業員が通勤に使っている場合、会社への通勤途上で発生した事故についても同様です。
また、自動車を「自己の運行の用に供している者」(これを「保有者」といいます)も賠償の責任を負います。たとえば車の所有者は、ほとんどの場合それにあたります。他人に車を貸した場合も保有者責任が認められますので、車を保有している方は、他人に車を貸すときには注意して下さい。
Question
交通事故による請求に時効はあるのですか?また、時効がある場合に、それを止めるにはどうすればよいでしょうか?
Answer
(1) 加害者側に対する請求
事故発生時(正確には損害と加害者を知ったとき)、または加害者から内払いがあったときはその最終内払い日から3年で時効となります。後遺障害についての請求は、症状固定時から3年です。
何もしないまま時効期間が経過してしまうと賠償を受けることができなくなりますので、この期間内に示談をするか、裁判を起こすかの必要があります。但し、この期間内に簡易裁判所に調停を申立てた場合には、調停が不成立になったときから1か月以内に裁判をすれば、時効を中断できます。また、内容証明郵便で請求しておけば1回に限り時効を6か月のみ延ばすことができます(6か月以内に裁判や調停などの手続を申し立てれば、請求したことの時効の中断結果が維持されます)。
(2) 自賠責保険への請求
ア 2010年3月31日までの事故
傷害は事故日から、死亡は死亡日から、後遺障害については症状固定日から、それぞれ2年で時効となります。
イ 2010年4月1日以降の事故
上記のアが3年に延長されました。
ウ 時効の中断方法
自賠責保険会社から時効中断承認書の用紙をもらい、所定事項を記入して提出する簡単な手続きにより、承認の日から時効期間分(2年または3年)だけ延長することができます。
Question
労災保険や自分の保険から給付金を受け取った場合は、加害者から賠償してもらう損害額に影響しますか?
Answer
被害者やその遺族が、交通事故に関して受け取った金銭については、請求する賠償額から控除する必要があるもの(これを損益相殺といいます)と、控除する必要がないものがあります。
労災保険については、特別支給金以外は控除の対象となりますが、将来部分は控除されません。公的年金制度による給付も、控除の対象となりますが、将来部分は控除されません。そのほか、公的医療保険制度による給付は控除されます。
他方、被害者が加入していた生命保険や傷害保険・医療保険の給付金は控除されません。ただし、所得補償保険については、支払いを受けた金額については控除されるとするのが最高裁の判例です。その保険会社に加害者側への請求権が移転するというのがその理由です。