訴訟提訴することにより自賠責保険が支払不能だった事案を克服した事例
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- 担当弁護士
- 秋山 健司
事案の概要
被害者は、赤信号で停止中、後方から加害車両(タクシー)に追突され、腰部及び頸部の神経症状(むち打ち症)のため通院していたところ、事故後3か月経過した段階で、加害者側から事故態様が軽微であることを理由に治療費の負担打ち切り通告を受けた。そこで、自賠責保険に被害者請求を行ったところ、事故態様が軽微であることから、事故と症状との間の相当因果関係が明らかでないことを理由に支払不能を通知された。
解決方法・内容
訴訟提起後、被害者および加害者が撮影した車両損傷状況を示す写真、加害者の陳述書などが提出された。加害者が提出した写真は鮮明度が悪く、被害者の提出した写真の方が信用性があったこと、さらに加害者の弁明は変遷していて首尾一貫性がないことから事故と傷害との相当因果関係が認定され、訴訟上の和解となった。
ポイント解説
自賠責保険に対する請求では、事故と損害との間の相当因果関係を否定されても、提訴することにより、初めてそれが立証されることもある。そのため、自賠責請求では否定されたとしても、訴訟提起することにより、一定の証拠を提出して、請求を認めさせることができる。