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病院勤務の医師について75歳までの逸失利益が認められた事例

事案の概要

 病院勤務の傍ら、副業として心肺蘇生事業を行っていた医師(54歳/男性)が、自転車で交差点を通行中、左折してきた加害車両に衝突され、第一腰椎破裂骨折の傷害を負い、45日間入院、その後約10か月(実通院6日)の通院を経て、後遺障害等級11級7号(脊椎変形)の後遺障害を残した。争点は逸失利益であり、①労働能力喪失の期間、および②労働能力喪失の割合であった。

解決方法・内容

 ①労働能力喪失の期間については、通常労働可能年数として67歳までとされているが、75歳までと認定させた。②労働能力喪失の割合についても、後遺障害等級11級(20%)よりも低いが、9%として認定させた。その結果、逸失利益として2065万円の支払を勝ち取った。

ポイント解説

 ①労働能力喪失の期間は、通常67歳までとされているところ、麻酔科の医師であり、心肺蘇生法事業を行っていることに鑑みると、67歳を越えても稼働することが可能であり、少なくとも75歳までは稼働する蓋然性が高いと認定された。②労働能力喪失の割合については変形障害であり、事故による休業期間を除くと、事故後も明らかな減収がないとして被告は争ったが、後遺障害は脊椎の変形による腰痛等の神経症状であることから、麻酔医師としての労働能力に与える影響を否定できず、現時点においては自助努力により減収が生じていないとしても、将来的に不利益を被るおそれが否定できないとして、9%相当の労働能力を喪失したと認定された。

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